自分の言葉で語ってこそ説得力が出る
係長としての自分の言葉に説得力がないな、と思った方は、もっと自分の言葉で語るよう意識してみると良いかもしれません。
「会社の方針だから」
「上で決まったことだから」
「前例がない」
こういうのはすべて自分の言葉ではなく、「組織の論理」を拠り所とした空疎な言葉で、まったく説得力がありません。
確かに係長として組織や上司の方針に従って指示を出すことが求められるのですが、部下に伝えるときくらいは自分の言葉で伝えたいものです。
係長には、上から降りてくる方針を現場のメンバー一人ひとりに伝え、浸透させる連結ピンとしての役割があります。難しいのは、ただのメッセンジャーになってしまったのでは意味がないという点です。連絡係なら誰でもできるし、それこそメールで済ませればよいわけです。
係長としては、組織方針を現場にしっかり浸透させることが役割なわけですから、どういう話し方をすれば部下に伝わり、部下を動かすことができるか、を考えなければなりません。そこに係長としての付加価値が生まれるのです。
そのためには、いったん組織の方針を自分の腹に落とす必要があります。自分が納得していないものを他人に納得させることは不可能です。「ああ、こういうことか」と自己納得できて初めて、自分なりの解釈ができるようになります。
部下としても、
「組織方針だから」と言われるより、
「組織方針はこうだ。自分としてはこう考えている。この方針で行くためには君たちの協力が必要だ」
と言われた方が断然腹に落ちると思うのです。
言霊と言われる通り、言葉には魂が宿ります。魂のない言葉で伝えても、部下には伝わらないと思ってください。
言われてみれば当たり前のことですが、これができない係長が多いのが現実なのです。
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