課題設定の違いが成果の違いを生む

係長ともなると、自分の会社、チームが抱える課題を自分の言葉で語ることが求められます。

しかしそもそも、課題ってなんでしょうか?

研修で係長のみなさんに職場の課題を聞くと、

「残業が多いことが課題だと思います」
「もっと業務効率化することが課題」
「部門間のコミュニケーションが悪い」
「新規開拓が必要」

などなど、いろいろな答えが返ってくるのですが、どうやら「問題」と「課題」を切り分けできていない方が多いようです。

問題とは、目標と現状のギャップですので、表現としてはダメ出しする形式になります。上の例でいうと

「残業が多いことが課題だと思います」
「部門間のコミュニケーションが悪い」

があてはまります。

課題は、問題を踏まえて、目標に近づくために「じゃあどうするべきか」というソリューションを打ち出しているものです。「残業が多いよ」とか「コミュニケーションが悪い」と言いっ放しにするのではなく、

「残業を減らすために、仕事の仕方を見直す」
「コミュニケーションを良くするために、飲み会をする」

といった具合です。

上の例でいえば、

「もっと業務効率化することが課題」
「新規開拓が必要」

の2つについては、

「(効率が悪くコストアップを招いているので)もっと業務効率化することが課題」
「(既存客では業績が伸びないので)新規開拓が必要」

といった具合に、それぞれが抱えている問題を解決するためのソリューションが打ち出されていますので、形式としては課題の条件をクリアしています。

ただし、課題の質については検証の余地ありでしょう。

優秀な係長は、課題の設定にも頭を絞ります。課題設定は、係が進むべき方向性を示すものであり、チームメンバーの行動指針となるものです。その設定いかんによって、チームが生み出す成果の質も大きく変わってきます。

良い課題の条件としては、具体性があり、部下が何をやるべきかが分かりやすく示されていること。そして部下が「実現できそうだな」と思えることが挙げられます。

例えば、

「新規顧客を開拓する」という課題よりも、
「スマートフォン向けプロモーションを強化して20代女性層を獲得する」とした方が、わかりやすいでしょう。

課題設定を制するものは成果を制す。係長としてぜひ課題設定に力を入れてみてください。

スポンサードリンク

関連記事

no image

リカードの比較優位理論を応用した部下活用術

部下が持つ強みを活かして仕事をさせると成果を出しやすくなります。 係長には部下の特性を見極め、

記事を読む

no image

ロジカルシンキングはなぜ必要なのか

ロジカルであるとは、根拠や理由を客観的に示しながら、自分の考えに納得感のある筋道を立てることです。

記事を読む

i_kisoryoku

係長は社会人基礎力を磨こう

――マネジメント能力と言われても、具体的に何をどう磨けばいいのかわからない。 そんな係長のみな

記事を読む

i_mtg

チーム会議を生産的にするポイント

チームミーティングを定期的に行っている係長は多いと思います。ミーティングには係のメンバーが時間を割い

記事を読む

no image

係長は部下面談を効果的に活用しよう

「日頃から顔を合わせているので、改まって部下と面談する機会が少ない」 「必要なとき以外は、部下とは

記事を読む

no image

自分の言葉で語ってこそ説得力が出る

係長としての自分の言葉に説得力がないな、と思った方は、もっと自分の言葉で語るよう意識してみると良いか

記事を読む

no image

係長には中小企業診断士の資格を勉強してほしい

係長の皆さんにぜひ学んでほしい資格が「中小企業診断士」です。「中小企業」とありますが、大企業の係長も

記事を読む

i_nayami

仕事を抱え込む係長が組織にもたらす悪影響

係長の役割は、一担当者が担う役割とまったく異なります。一担当者は個人プレイヤーであり、自分の手足を直

記事を読む

no image

係長とサーバントリーダーシップ

「うまくリーダーシップを発揮できない」 「どうしてみんなついてきてくれないのだろう」 自分の

記事を読む

no image

係長の役割とは

係長の役割とは、端的に言うと、係という最小単位のチームの責任者として、組織の成果を導くことです。

記事を読む

スポンサードリンク

no image
係長とサーバントリーダーシップ

「うまくリーダーシップを発揮できない」 「どうしてみんなついてきてく

i_mtg
チーム会議を生産的にするポイント

チームミーティングを定期的に行っている係長は多いと思います。ミーティン

no image
係長は部下面談を効果的に活用しよう

「日頃から顔を合わせているので、改まって部下と面談する機会が少ない」

no image
係長への昇進・昇格試験

大企業では、係長に登用する人材を「人材アセスメント」という昇進・昇格試

no image
係長の英語トレーニング

英語を公用語として、全社員に英語学習を推奨する企業が出てくるなど、日本

→もっと見る

PAGE TOP ↑