環境変化に対応できるマネジメント力を養うには
慣れた職場環境では活躍できるのに、状況が変わると活躍できなくなる係長がいます。
「顧客の要求が変わった」
「新しい技術・製品が普及した」
「異動して職場が変わった」
「転職して業界が変わった」
このように外部の環境が変わることで自分の能力が発揮できなくなった場合は要注意です。自分がこれまで得てきたマネジメント能力が、限られた領域でしか使えない汎用性の低いものである可能性があります。もちろん、当初からその業界でしか必要とされない専門性の高いエキスパート職に就いている場合は問題ありません。
問題となるのは、係長としてチームをマネジメントすることを求められている場合です。
慣れた職場では成果を出せるのに、普段とちょっと状況が変わると能力が発揮できなくなってしまうのは、慣れや経験則に頼った仕事をしているからです。経験領域ではこれまで培った法則が適用できるので一見仕事ができるように思えます。しかし、慣性の法則に従って仕事をしていると、いつしか頭を使わなくなってしまいます。
あうんの呼吸で仕事を回すことは効率化にもつながるのですが、変化の激しい昨今のビジネス環境では適応力の低下を招いてしまうことがあるということに注意する必要があります。
慣れや経験則で仕事を回している係長は、ひとたび環境が変わると、思うように成果を発揮できなくなってしまいます。未知の状況下ではこれまでのパターンが通用しません。ところが、長年慣れた環境で先の読める仕事ばかりしてきたため、思考が停止状態に陥っており、結果、変化に対応できずに業務の停滞を招いてしまうのです。
係長は、周りの環境が変化しても、変わらず通用するマネジメント力を磨く必要があります。そのためには、自分が会得した経験則や知識から普遍的な原則を導き出すことが大切です。
外部の情報にアンテナを張り巡らし、変化への対応力を養っておくこと。普段から異業種の人と積極的に交流するなど、自分とは異なる視点で物事を考える人から刺激をもらうこと。
そういうことを続けていくことで、いかなる環境下でも成果を導き出せる普遍性の高い能力を持つ係長になってください。
スポンサードリンク
関連記事
-
-
部下の不満を処理するのも係長の役割
「なぜ結果が出ないんだ?」 「そう考える根拠は?」 ロジカルシンキングやコーチング(まがいの
-
-
係長は社会人基礎力を磨こう
――マネジメント能力と言われても、具体的に何をどう磨けばいいのかわからない。 そんな係長のみな
-
-
仕事を抱え込む係長が組織にもたらす悪影響
係長の役割は、一担当者が担う役割とまったく異なります。一担当者は個人プレイヤーであり、自分の手足を直
-
-
係長に求められるマネジメント能力
係長はマネジメントのいろはを覚える第一歩となるポジションです。会社内の最小単位のチームともいえる係の
-
-
係長の英語トレーニング
英語を公用語として、全社員に英語学習を推奨する企業が出てくるなど、日本のビジネス社会でも英語力が求め
-
-
係長には中小企業診断士の資格を勉強してほしい
係長の皆さんにぜひ学んでほしい資格が「中小企業診断士」です。「中小企業」とありますが、大企業の係長も
-
-
課題設定の違いが成果の違いを生む
係長ともなると、自分の会社、チームが抱える課題を自分の言葉で語ることが求められます。 しかしそ
-
-
リカードの比較優位理論を応用した部下活用術
部下が持つ強みを活かして仕事をさせると成果を出しやすくなります。 係長には部下の特性を見極め、
-
-
係長は部下面談を効果的に活用しよう
「日頃から顔を合わせているので、改まって部下と面談する機会が少ない」 「必要なとき以外は、部下とは
- PREV
- リカードの比較優位理論を応用した部下活用術
- NEXT
- 課題設定の違いが成果の違いを生む