係長にお勧めのインバスケット演習

マネジメント能力や問題解決力を鍛えたい係長におすすめしたいのが「インバスケット演習」です。

インバスケットとは、未決箱のことを意味します。今風に言えば、未返信のメールがたまったメールボックスと考えてください。あなたにはある会社の係長の役割が与えられます。

そのメールボックスの中には、前任者宛てのメールがたくさん届いています。実は前任者は体を壊して入院中。そこで急きょあなたが後任に抜擢された、というシチュエーションです。

あなたに与えられた時間はわずか数時間。その数時間のうちに、あなたは新任の係長として、たまったメールを引き継ぎ、適切に処理しなければなりません。メールは、上司や部下、他部門の関係者はもちろん、顧客や取引先など、あらゆる関係者から届いています。

メールの内容も千差万別です。

上司から「残業を減らせ!」と指示がきたかと思えば、部下から「業務負担が重すぎて現場が疲弊しています!」という悲鳴の声が挙がったり、他部門から「もっとしっかり仕事しろ」と叱責されたかと思えば、顧客から「対応が不誠実だ!」とクレームが届いたり……

このメールの処理の仕方で、あなたの係長としてのスキルがわかるのです。

何も考えず、ただただ部下にメールを転送するだけの人。
自分で決めることができず、上司にいちいち相談する人。
メールの内容を鵜呑みにして、とにかく要望に応えようとする人。

インバスケットの処理内容は人によって個人差があり、10人いれば10人なりのスタイルがあると思います。処理の仕方に正解はありません。ここで大切なことは、あなたなりの意思をもって処理することです。

「上司に言われたから」とか「そういうルールだから」という理由で問題を処理していたのでは、係長としては不十分です。それでは部下を納得させることができないでしょう。

普段の仕事も同じです。「自分はこういう考えでこう処理した」という明確な意思を示すことができれば、係長としての信頼もアップします。

「部下がいないので、マネジメントが分からない」
「ルーチンワークしか担当していないので問題解決と言われても……」

という方はぜひインバスケット演習にトライしてみてください。

スポンサードリンク

関連記事

no image

ロジカルシンキングはなぜ必要なのか

ロジカルであるとは、根拠や理由を客観的に示しながら、自分の考えに納得感のある筋道を立てることです。

記事を読む

i_nayami

仕事を抱え込む係長が組織にもたらす悪影響

係長の役割は、一担当者が担う役割とまったく異なります。一担当者は個人プレイヤーであり、自分の手足を直

記事を読む

no image

係長に求められるストレスコントロール力

いつ寝首を掻かれるかもわからない戦国時代の武将に比べればまだましなのかもしれませんが、現代はストレス

記事を読む

no image

SWOT分析で自分自身を棚卸しする

係長であれば「SWOT分析」を基本的知識として押さえ、必要に応じて効果的に使いこなせるようになってお

記事を読む

no image

上司の視点で考える

一段上の視点で考える習慣を身に付けると、仕事がスムーズに運びやすくなります。より高い視点から係長の立

記事を読む

no image

リカードの比較優位理論を応用した部下活用術

部下が持つ強みを活かして仕事をさせると成果を出しやすくなります。 係長には部下の特性を見極め、

記事を読む

i_mtg

チーム会議を生産的にするポイント

チームミーティングを定期的に行っている係長は多いと思います。ミーティングには係のメンバーが時間を割い

記事を読む

i_kisoryoku

係長は社会人基礎力を磨こう

――マネジメント能力と言われても、具体的に何をどう磨けばいいのかわからない。 そんな係長のみな

記事を読む

no image

係長には中小企業診断士の資格を勉強してほしい

係長の皆さんにぜひ学んでほしい資格が「中小企業診断士」です。「中小企業」とありますが、大企業の係長も

記事を読む

no image

係長とサーバントリーダーシップ

「うまくリーダーシップを発揮できない」 「どうしてみんなついてきてくれないのだろう」 自分の

記事を読む

スポンサードリンク

no image
係長とサーバントリーダーシップ

「うまくリーダーシップを発揮できない」 「どうしてみんなついてきてく

i_mtg
チーム会議を生産的にするポイント

チームミーティングを定期的に行っている係長は多いと思います。ミーティン

no image
係長は部下面談を効果的に活用しよう

「日頃から顔を合わせているので、改まって部下と面談する機会が少ない」

no image
係長への昇進・昇格試験

大企業では、係長に登用する人材を「人材アセスメント」という昇進・昇格試

no image
係長の英語トレーニング

英語を公用語として、全社員に英語学習を推奨する企業が出てくるなど、日本

→もっと見る

PAGE TOP ↑