上司の視点で考える
一段上の視点で考える習慣を身に付けると、仕事がスムーズに運びやすくなります。より高い視点から係長の立場、役割を眺めることで、自分のチームを取り巻く状況が見えやすくなります。その結果、全体を俯瞰して判断する能力が身につき、妥当性の高い意思決定ができるようになるのです。
ではどうすれば一段上の視点から考えることができるようになるのでしょうか?
答えは簡単。上司の立場になって考えることです。上司は常に自分より高い立場で仕事をしていますからね。係長であれば、その一つ上の課長としての立場で物事を考える習慣を付けるのです。これは、東レ東レ経営研究所の特別顧問である佐々木常夫さんの書籍『働く君に贈る25の言葉』でも触れられていることです。
係長であれば自分の係全体を見ていればいいかもしれませんが、課長であれば課全体を見る必要があります。これをいきなりやろうとしても、最初は難しいかもしれません。
昔の人気漫画『リングにかけろ』に出てくるパワーアンクルのようなものです。パワーアンクルは、重い鉛を仕込んだサポーター。足首に巻きつけてトレーニングすると、通常よりも強力な負荷がかかります。自分に強力な負荷をかけ続け、その負荷に慣れてしまうことで、負荷から解放されたときのフットワーク力を高めることができるのです。
係長にも同じようなことが言えます。上司の視点で考えることを習慣化できるまで続けるのです。それに慣れてしまうと、係長としての役割が自分にとってスケールの小さなものに見えてくることでしょう。普段から上司の行動を観察し、どのような視点で物事を考えているか参考にしてみてください。
そうすることによって、上司の求めていることが分かり、的確に対応できるようになるという副次的な効果も得られます。
スポンサードリンク
関連記事
-
部下の不満を処理するのも係長の役割
「なぜ結果が出ないんだ?」 「そう考える根拠は?」 ロジカルシンキングやコーチング(まがいの
-
リカードの比較優位理論を応用した部下活用術
部下が持つ強みを活かして仕事をさせると成果を出しやすくなります。 係長には部下の特性を見極め、
-
係長に求められるストレスコントロール力
いつ寝首を掻かれるかもわからない戦国時代の武将に比べればまだましなのかもしれませんが、現代はストレス
-
SWOT分析で自分自身を棚卸しする
係長であれば「SWOT分析」を基本的知識として押さえ、必要に応じて効果的に使いこなせるようになってお
-
係長は部下面談を効果的に活用しよう
「日頃から顔を合わせているので、改まって部下と面談する機会が少ない」 「必要なとき以外は、部下とは
-
課題設定の違いが成果の違いを生む
係長ともなると、自分の会社、チームが抱える課題を自分の言葉で語ることが求められます。 しかしそ
-
チーム会議を生産的にするポイント
チームミーティングを定期的に行っている係長は多いと思います。ミーティングには係のメンバーが時間を割い
-
係長に求められるマネジメント能力
係長はマネジメントのいろはを覚える第一歩となるポジションです。会社内の最小単位のチームともいえる係の
-
ロジカルシンキングはなぜ必要なのか
ロジカルであるとは、根拠や理由を客観的に示しながら、自分の考えに納得感のある筋道を立てることです。
-
係長は社会人基礎力を磨こう
――マネジメント能力と言われても、具体的に何をどう磨けばいいのかわからない。 そんな係長のみな
- PREV
- 係長にお勧めのインバスケット演習
- NEXT
- 自分の言葉で語ってこそ説得力が出る